平成27年度の体験授業では,4人の先生方にそれぞれの専門分野と薬学との関わりについて,下記の内容で解説していただきました。

今年度の体験授業は7月29日午前・午後,および7月30日午前・午後に実施しました。



体験授業1「 くすりが効いて欲しいところへ運ばれるには 」

薬物送達学分野教授 寺崎 哲也

 身体には栄養物質を積極的に取り込む仕組みと、異物を排除することで身体を守る仕組み「解毒機構」が働いています。くすりは効いて欲しいところへ運ばれて初めて本来の役割を果たすことができますが、異物であるくすりを効率よく標的部位に送達することは容易ではありません。本講義ではくすりの身体の中の運命を左右する要因について概説します。

体験授業2「 新薬開発の道を切り開く最先端の有機合成化学 」

医薬製造化学分野教授 徳山 英利

 天然には、人類にとって有意義な化合物が数多くあります。しかし、大量に得るのが難しいこともよくあり、化学者が「有機合成化学」を駆使して合成しています。私たちは、これまで誰も合成したことのない、画期的な新薬になりそうな化合物の化学合成を研究しています。化合物の合成には、たくさんのブロックを一つ一つ組み合わせていくように、無限の可能性があります。講義では、最先端の有機合成化学の一端について紹介します。

体験授業3「 くすりと光 」

生物構造化学分野教授 中林 孝和

 光を使って細胞や体を視る技術、そして光とくすりを組み合わせて疾病を治療する技術が大きく進展しています。特に光とくすりの化学反応(光化学反応)を使ってがん細胞を死滅させる技術は、がんなどの治療の新たな方法として注目を集めています。この体験授業では,光を使って体を視る方法、そして光とくすりを用いて疾病を治療する方法の原理について学びます。

体験授業4「 薬剤師のお話し 」

がん化学療法薬学分野教授 富岡 佳久

 薬剤師法には、「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどる ことによって、公衆衛生の向上および増進に寄与し、もって国民の健康な生活を 確保するものとする。」とあります。いまでも薬剤師は、日頃から国民の健康を 支援し、良いくすりを作り、くすりを正しく使うことに貢献しているのです。社会に期待される薬剤師将来像についてお話ししたいと思います。

お問い合わせ・連絡先
〒980-8578 仙台市青葉区荒巻字青葉6−3
東北大学薬学部オープンキャンパス係
電話:022-795-6803(教務係)
FAX:022-795-6805