センター長 岩渕好治 教授

 薬学研究科では、「高いレベルの創薬研究と多様な人に適応した医薬品の適正利用に向けた研究とを統合することを通して、人を見つめた薬の開発と、医療現場で適正使用して行く人材の育成」という長期ビジョンを策定しました。(東北大学 “社会にインパクトある研究”プロジェクト:B-5 「世界を主導する医薬品開発と人を見つめた医薬品治療の実現」

 新たな医薬品の開発、そして個々人に合わせた適正な医薬品使用を実現することは、未来の医療を創造するために解決しなければならない重要な課題です。東北大学では、医薬品研究開発推進室、オープンイノベーション(OI)事業戦略機構やメディシナルハブ、臨床研究推進センター(CRIETO)を中心に医薬品開発を、また医学系研究科で設立された未来型医療創成センターを中心に、新たな医療の社会実装に向けた取り組みをスタートさせています。 そのなかで、薬学研究科には、創薬における新たなシーズ探索並びにリード化合物の最適化に関わる基盤技術に関わる産学連携及び学内外の連携による研究開発に中心的役割を果たすことが求められています 。

 このような学内外の様々な技術的課題の解決を目的とした産学連携や部局内外との学際的研究を強力に推進するために、本研究科は2019年4月、「医薬品開発研究センター」を設立し、初代センター長の平澤典保教授のリーダーシップのもとで活動を開始しました。2022年4月、医薬品開発研究センター棟 (263 m2)が完成し、7500種を超える東北大学化合物ライブラルーの管理・運用により創薬研究を支援するとともに、共同施設としてハイスループットスクリーニング室、生体機能解析室、およびディスカッションスペースを整備し、ロボットを活用したハイスループットなスクリーニングや先端機器による生化学的なスクリーニングから、細胞レベル、動物レベルでの薬効評価まで、一連の医薬品探索研究が可能となっています。

 本センターを軸に、人材、機器の整備を促進し、東北大学の医薬品開発研究をリードしていきたいと考えています。