糖鎖・複合糖質を基盤とする生物活性物質の創成

眞鍋 史乃 教授

 糖鎖・複合糖質の精密合成による糖鎖創薬を目指した研究を行なっています。具体的には、1) 新規立体選択的グリコシル化反応の開発と生物活性糖鎖・複合糖質の合成、2) 網羅的糖鎖均一改変抗体の作製、3) 抗体・薬物複合体およびα線放出核種付加抗体開発においての糖鎖を利用したsite-specific 連結法、及びリンカー開発を行っています。
 エンド型開裂による糖鎖の立体変換は、従来のグリコシル化反応では困難である立体選択的1,2-cis アミノ糖の構築を可能とし、既存の複数のアノマー位置の立体化学を一挙に変換できます1)。左右非対称型を含む均一糖鎖を持つ抗体の作製法の開発により、糖鎖構造と抗体機能の明確な構造相関活性を明らかにしています。さらに糖鎖改変による均一構造ADC の作製に展開しています2)。C-型糖鎖修飾であるC-Man-Trp は、卵巣がんのバイオマーカーとして期待されます3)

文献
1) Chem. Eur. J. 20:124–132 (2014)
2) Bioconj. Chem. 30:1343-1355 (2019)
3) Oncol. Lett. 19:908-919 (2020)

連絡先:眞鍋史乃、shino.manabe.e1@tohoku.ac.jp
http://www.pharm.tohoku.ac.jp/research_center/sosei/