先進脳創薬講座のメンバー

名誉教授 福永 浩司
医学博士

福永 浩司先生は1980 年に熊本大学薬学研究科を修了後、同大学医学部において助手に採用され、1985年に医学博士を取得されました。1988年から米国バンダービルト大学 HHMI 博士研究員として研鑽を積まれ、1990年には熊本大学医学部講師、1993年には同助教授、さらに2002年には東北大学薬学研究科教授にご就任されました。先生は1982年にCaM kinase II (CaMKII)を発見し、精神遅滞のスパイン形成異常におけるCaMKIIの役割、脂肪酸結合タンパク質(FABP)によるドパミンD2受容体の機能調節、FABPによるレビー小体病の発症機構の解明など多くの研究成果をあげられました。神経科学に加えて、CaMKIIとFABPを標的としたアルツハイマー病、レビー小体病の治療薬シーズの開発など創薬科学にも貢献されました。学会活動では英文誌JPSの編集委員長、理事を長らく務められ、日本の薬理学に多大な貢献をされました。これまでの研究成果を事業化されて創薬事業においてご活躍中です。

Researchmap: https://researchmap.jp/kojifukunaga
第8回日本薬理学会学術奨励賞、熊本医学会奨励賞、Journal of Pharmacological Sciences 編集委員長、日本薬理学会理事、日本脳循環代謝学会理事、日本脳科学会理事、日本NO学会理事、第47回日本脳科学会大会長 他

特任准教授 川畑 伊知郎
博士(理学)・博士(薬科学)

川畑 伊知郎先生は2009年に東京工業大学生命理工学研究科を修了後、2010年に東北大学大学院薬学研究科に助教として赴任し、同特任准教授を経て、2020年から先進脳創薬講座に着任されました。先生はパーキンソン病の発症機構解明と治療薬開発を目指し、ドパミン生合成に必須であるチロシン水酸化酵素のドパミン神経選択的な消失機序の解明や、αシヌクレイノパチーの脂肪酸結合タンパク質依存的な病態解明による新たな創薬標的の探索研究に取り組んでおられます。またアルツハイマー病やレビー小体型認知症に代表される認知症の病態解明と予防・治療応用に取り組んでいます。さらにパーキンソン病、レビー小体型認知症、多系統萎縮症を含むレビー小体疾患とアルツハイマー病の病態解明から、治療対象患者様のスクリーニングに必須となる疾患層別化技術を開発し、個別化医療と早期治療加入に必要なシヌクレイノパチーの超早期鑑別技術を確立しました。これらの成果から、診断・予防・治療の各ステップから脳健康長寿社会の実現にむけご活躍中です。

Researchmap: https://researchmap.jp/ichiro_kawahata
第36回日本薬理学会学術奨励賞、第46回日本脳科学会奨励賞、第17回インテリジェント・コスモス奨励賞、APSBMS Outstanding Research Award、JSNP Excellent Presentation Award for AsCNP、日本薬理学会学術評議員、日本薬理学会次世代の会代表(2024年度ー)、薬学会薬理系薬学部会若手世話人、他。

技術補佐員 渡邉 優子