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University of Pennsylvania

2014年7月-9月  D2 黒木 太一

 

はじめに
 2014年春ごろ、徳山教授からアメリカ合衆国ペンシルバニア大学Amos B. Smith 教授の研究室への留学を薦めて頂きました。かねてより留学するならアメリカに行きたいと考えていた私は喜んでその薦めを受け、7月初旬から約3ヶ月間Smith研で研究を行う機会を得ることができました。

 

フィラデルフィア
  ペンシルバニア大学(現地ではよくPENNという愛称で呼ばれています)はペンシルバニア州フィラデルフィアにあり、非常に歴史の古い大学です。フィラデルフィアはアメリカ独立宣言がなされた土地でもあり、市街にあるliberty bellは観光名所にもなっています。中心部から少し外れたとこにある30thステーションが交通の要となっており、ここから列車やバスでニューヨークやワシントンに行くことも可能です。いずれの都市へも高速バスを使えば2~3時間程で行くことができるので、滞在中に私もニューヨークやワシントンへ何回か足を運びました。食べ物は炒めた牛こまと玉ねぎにチーズを絡めたものをホットドッグの具にしたチーズステークが有名で、現地の人にオススメはと
聞くとたいていこの料理の名前が上がります。

 

生活と食事
  留学中、私はインターナショナルハウスというPENNやその周辺大学に通う留学生用の宿泊施設に滞在していました。その施設には様々な国からの留学生が集まっており、懇親会や各国の文化を紹介するイベントなどもたびたび開かれていました。生活に関しては、日本に住んでいるとなかなか実感がなかったのですが、日が落ちてから一人で出歩くという行為が大人でも危険だということを知り驚きました。ラボメートからは、夜一人出歩く時は必ずタクシーを使えとよく言われ、日本との感覚の違いを感じました。ただPENN周辺は警備員によって24時間パトロールが行き届いていたので、それほど危険を感じることなく生活することができました。

 食事に関しては、お昼ごろに研究棟前に現れるフードトラックで購入するか大学の食堂で食べるという感じでした。ラボでは基本的に個人個人で食事をとり、時間があえば一緒に数人で食事をとるというスタイルでした。種類としてはハンバーガーやホットドッグ、ピザはもちろん中華やメキシカンなどがあり、色んな種類のものを楽しむことができます。また、少し高価でしたが、すしや照り焼き丼といった日本食も置いてありました。留学前は、「せっかくだからアメリカならではのものを毎日食べよう」と考えていましたが2週間程で米が恋しくなり、よくフードトラックで中華を頼んで食べていました。

 

研究
 研究の進め方は、テーマとして類似したものもありましたが基本的に一人ひとつのテーマを担当するというものでした。私はといいますと、天然物の部分骨格構築をテーマとして頂きました。コアタイムは決まっておらず研究室に来る時間帰る時間は比較的自由でした。私は朝8時半くらいに研究室に行き、夜8時頃には帰宅していました。まわりの学生に話を聞くとスミス教授は滞在時間よりも仕事内容を重視しており、efficient workerを好むとのことでした。日本では研究室に長い時間残って仕事をするのが当然といった空気がありますが、ここではそのようなことはほとんど感じず、日本と大きな違いの一つかなと思いました。研究環境に関しては、正直なところ設備等は日本の方が使いやすいかなと感じました。ただ、スミス研は2フロアに渡ってかまえておりまして、個人で使える実験スペースも圧倒的に広く、日本では3~4人ほどで使用するスペースを1人で使用することができました。マニホールドやドラフト、エバポレーター、乾燥機も一人一つあって非常に便利でした。また、PENNは私立大だからというのも理由にあるもかもしれませんが、ラボの掃除やゴミ出し、廃液処理等は全て大学に雇われている業者の方にやってもらえるので、学生が実験に集中しやすいよう環境が整えられているなと感じました。スミス先生とのディスカッションは、毎週土曜に提出する報告書を元にして翌週月曜の朝に行われるという感じでした。(ラボに行くとデスクの上に「私のとこに来てくれ」という紙が置いてあり慌てて教授室に行ったのを思い出します) あと私の場合は、同じ化合物を研究しているPh.Dコースの学生とよくディスカッションしていました。特に最初のころはほぼ毎日。彼はよくHow’s chemistry? とかGood news?みたいな感じで私のところにやってきました。毎回good newsはちょっと・・・と思いつつ、拙い英語でどういう結果が得られたとか、次はこうしたいとかいうことを話していました。また研究室内の業務連絡は基本的にグループメールを使って行われていました。講演会の連絡やグループミーティングのロースター、あとは機器に関する連絡等が主でした。他には、「この試薬で活性いいやつ誰か持ってない?」とか「溶媒使い切ったやつ誰だ!!」みたいなお説教的な内容、また、「謎の化合物がとれた!誰かこの化合物の構造わかる?」みたいな助けを求める内容もときどきありました。スミス先生からの連絡もこのグループメールを通して行われることが多く、化学に関する面白い読み物やページなども紹介されていました。上述しましたが、スミス研でもグループミーティングが定期的にあり、毎週月曜夕方6時から行われていました。基本的には3~4人が研究内容の報告をして、試薬や機器の使用上の注意など安全に関するゼミを1人行うというものでした。徳山研では質疑応答は発表後にまとめて行うのですが、スミス研では質問があれば発表を一旦止めて行われていました。私も帰国前に留学中の研究内容を発表したのですが、原稿を覚えて話していた私にとっては、途中で質問を挟まれるのはなかなかシビアなものでした

 

BQとMLB
  スミス研では毎年夏頃BQとMLB観戦のイベントがあり、ちょうど留学期間と重なり私も参加することができました。BQは日本のものとは異なり、ハンバーグを焼いてバンズに挟んで食べるというスタイルでした。ハンバーグが日本のものより肉厚でとても美味しかったのを思い出します。この機会で普段なかなか話さないメンバーとも話すことができました。スミス研には様々な国から学生が集まってきているので、色んなバックグラウンドを持つ人たちと話ができたのは貴重な経験でした。BQが終わるとそのままみんなで地下鉄に乗り込み、地元のMLBチームであるPhilliesのホームスタジアムへ向かいました。メジャーの試合を生で観るのは初めてで、試合自体も非常に面白かったのですが、観客を楽しませるイベントが多くていいなと感じました。攻守交代の際にバックスクリーンを使って観客をいじる?イベントなどもあり、とても楽しめました。試合結果もPhilliesのサヨナラ勝ちでいい試合を観ることができました。  

 

留学で学んだこと
1. 自分でまず動くことが大事

大学での諸手続きや研究を行っていくなかで、日本では何もしなくても教えてもらえることが、待っているだけでは教えてもらえないということが多くありました。PENNでの生活が始まってすぐに、ここではまず自分で動かないと何もできないなと実感しました。

2. 英語でのコミュニケーション

しゃべりはなかなかすぐには身につきませんでしたが、会話をしていくうちに耳は徐々になれてくる実感がありました。この留学を通じて相手の言ったことに対するレスポンスはそれなりにできるようになったので少し自信になりました。

 

最後に
 今回の留学で私を受け入れてくださったAmos B. Smith教授とSmith研の皆さんに感謝致します。また、最後になりますが、本留学の費用を援助して頂いたJSPSに深く感謝いたします。

 

►Smith先生との一枚
教授室で一緒に写真を撮っていただきました。後ろには小泉元首相からの賞状も。

►共同研究者との一枚
留学中、彼にはとてもお世話になりました!

►ドラフト
一人一台使えて快適でした。

►ラボのメンバーとMLB観戦
初メジャー観戦。試合はPhilliesのサヨナラ勝ち!

      

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Last Updated July 24, 2014