Yohei Morishitaa, Yusuke Okazakia, Yi Yi Luoa, Jun Nunokib, Tohru Taniguchic, Yoshiteru Oshimab, Teigo Asai*a
Plant hormones were evaluated for their ability to activate fungal secondary metabolite production. Three synthetic cytokinins, kinetin, 6-benzylaminopurine, and forchlorfenuron, showed remarkable enhancement of the production of aromatic polyketides derived from emodin in a fungus, Arthrinium sacchari and allowed us to isolate a new polyketide. Furthermore, we firstly demonstrated the potential of plant hormone to activate a wide range of fungal secondary metabolite production processes.
カビのゲノム上には膨大な未利用生合成遺伝子が眠っています。そこには新しい天然物が多く存在しているかもしれません。これらの生産に関わる遺伝子発現を誘導する方法の一つとして、植物ホルモンの添加を調査しました。植物とカビは大変密接な関係にあります。植物の病気を引き起こす原因菌の多くはカビですし、また、植物のホルモンを作るカビも多く存在します。また、植物ホルモンがカビのライフサイクルに影響を与えることも報告されていました。カビは生育ステージやライフサイクルに合わせて様々な二次代謝物を生産するため、植物ホルモンが培養中でカビの二次代謝を誘導する可能性があると考え、この研究を開始しました。調査した結果、様々なカビの二次代謝を活性化しました。なかでも、合成サイトカイニン類がArthrinium sacchariのポリケタイド生産を顕著に活性化し、新規天然物の獲得ならびに、その生合成遺伝子の発現が活性化していることを明らかにしました。今後、カビの培養方法の一つとして、植物ホルモン添加が使われると幸いです。
