生合成と有機合成を融合した新しい分子創製の論文。

D3の惟村くんが推進する、生合成と有機合成を融合したポリケタイド-ペプタイド融合型マクロ環DELの構築に関する研究成果がOL誌にOpen Accessで掲載されました。
Semi-synthesis of a DNA-Tagged Polyketide−Peptide Hybrid Macrocycle Using a Biosynthetically Prepared Fungal Macrolide as a Synthetic Component.
Koremura, S., Sugawara, A., Morishita, Y., Ozaki, T., Asai, T.* (Koremura, Sugawara and Morishita are contributed equally.)Org. Lett. 2024, 26, https://doi.org/10.1021/acs.orglett.4c03588
ゲノムマイニングと異種発現を基盤とする合成生物学的手法により、自分たちの望む構造を有する天然物をある程度狙って生物合成できるようになりました。この方法では、異種発現株を繰り返し培養することで、所望の構造をgスケールで得ることも可能です。今回は、私たちの研究室で発見した糸状菌マクロライド生合成システムの情報に基づくゲノムマイニングにより16員環マクロライドを生物合成により供給し、それらをペプチドと融合し、さらにDNAタグがついた分子を設計し、それらの合成に成功しました。今後、このようなアプローチにより、さまざまな天然物構造を分子設計に利用でき、多様な分子が創製できるようになることが期待されます。今後はいよいよ大規模なDELの合成ですね。頑張りましょう。