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サイエンス・エンジェル企画の部局交流会に参加して~後輩の皆さんへ~

久光製薬株式会社 研究開発本部基礎研究所
露木幸星(第39回生、平成13年修士課程修了)

 去る2009年1月31日に薬学部キャンパスにて催された部局交流会にて「10年後の君たちへ」というテーマで拙いながらも講演させて頂きました。当日は大雪にも関わらず熱心な学生さんが多数参加して下さり、感激すると共に意識の高さに驚かされました。
 ニュース等でサイエンス・エンジェルの存在は伺い知っておりましたが、国内で最初に女性に門戸を開いた東北大学らしい素晴らしい試みだと思っていました。ただ、まさか自分がその企画の一部に参画させて頂こうとは夢にも思っておらず、講演のご依頼を頂いた際には非常に驚きましたが。今回の機会で少しでも貢献できていれば幸いです。
 さて、今回の交流会は私自身にとっても自分の生活や仕事を顧みる機会になりました。参加に際して、一番身近な女性である妻とも家庭や職場に於いて女性の置かれている環境について話をしたのですが、改めて仕事と家庭を両立させる事の大変さや夫婦のあり方を意識することになりました。男女がそれぞれ育児や家事とどのように関わっていくべきなのか、男女両性が仕事しやすい理想的な職場環境とはどういうものなのか、答えの分からない課題はまだまだ多く存在しますね。自分自身の課題も見つかりました(幸い妻からは現状で充分満足している旨の話を聞くことができましたが)。そういった意味では今回の交流会は私達夫婦にとっても重要な機会であったと思います。
 講演の際にもお話しましたが、夫婦のあり方に正解などないと思っています。夫婦間に於いても男女の権利は平等であるべきなのは間違いありませんが、平等の定義は家庭毎に様々であり単一の基準で規定されるものではありません。その平等さを決めそれが守られているかを確認するためには、コミュニケーションを深める以外に方法はないのだと思っています。これは私見ですので異論をお持ちの方もいらっしゃるかも知れませんが、夫婦とは互いに背中合わせで寄りかかり合うような相互依存の関係で良いと思っています。それぞれが仕事の悩みから解放され、家庭内の悩みは共有しながら、穏やかに過ごせるような家庭が私の理想ですね。学生の皆さんはこれから社会に出て、多くの方が結婚することになると思います。パートナーとの絆を深め、皆さんなりの理想の家庭を築いて下さい。
 薬学部を卒業する皆さんの大半は何らかの形で医薬品と関連した仕事に就かれることでしょう。生命を産み育てるのに二つの異なる性が不可欠であるように、生命関連製品である医薬品の創製や活用にも男女の協力は不可欠です。それぞれの感性で仕事と向き合い刺激しあう事でより良い関係が構築できると信じていますし、その実現の旗手となるのが私達同窓生でありたいと願っています。