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後輩たちへ

丹羽(佐藤)郁子(第39回生、平成13年修士課程修了)

 3年ぶりの仙台は、大雪。駅から乗ったタクシーの運転手さんの訛りに、なんだかホームグラウンドに帰ってきた気がするな、と思いながら窓の外に目をやると、青葉山は猛吹雪。おしゃれなよそ行き用のハイヒールを履いてきてしまったことを後悔しながら歩く姿は、東北出身だというのにへっぴり腰・・・。すっかり関東の温暖な気候に体も鈍ってしまったようだと苦笑すると、前方を白衣姿の学生さんが、サンプルでも入っているのか発泡スチロールの保冷箱を下げて颯爽と歩いているではないですか・・・。そうだった、こんな吹雪の日も、仲間と「今日は学校に泊まりだね」なんて言いながら、こんな格好で実験してたな・・と、急に懐かしさがこみ上げてきました。
 今回お話をさせてもらった学生さんの話で印象的だったのは、「薬学部も6年制になり、研究室配属などが全て成績順になったので、学生は目の色変えて勉強している」ということでした。一生懸命勉強するということは、決して悪いことではないでしょう。ただ、その結果、自分の希望の道に進むことが出来なかったとしても、それは結果でしかありません。大事なことは、研究室においても就職活動をするにおいても、どんな状況下でも、自分がどんなことをしたいのか、どんな風になりたいのかの明確な目標を持ち、現状と照らし合わせて、そのためには今何が必要で、何をしなければならないのかということを常に意識していることだと思います。途中でわからなくなったら、引き返して、色んな人の話を聴くことも、少し歩みを休めることも、あるいは別の世界を少し覗いて見ることもいいかもしれません。
 学生時代は、色んな意味で間違ってもいい時期だと思います。沢山見て沢山経験し、沢山失敗し、沢山恥をかき、沢山考えてほしいです。そして、何事も決めてかからず、思い切ってどんどんいろんなところへ飛び込んでほしいです。
 勇気を持って、前を向いて下さい。いつか、母校の元気な後輩たちと一緒に仕事が出来る日がくることを夢みています。