メニュー 閉じる

生物構造化学分野 教授 中林 孝和

 平成 26 年 5 月 1 日より東北大学大学院薬学研究科 生物構造化学分野に教授として勤務することになりました中林孝和と申します。出身大学は東京大学大学院理学系研究科化学専攻(田隅三生教授、濵口宏夫教授)です。分子科学研究所(助手、西信之教授研究室)、北海道大学電子科学研究所(准教授、太田信廣教授研究室)と2つの研究所での勤務を経て参りました。私の専門は、物理化学を背景とした分子分光学、光化学、分析化学などになり、”光”を用いて生命現象を解明することを目指しています。最近では細胞内環境を明らかにするための方法論の開発をレーザー分光、蛍光、赤外、ラマンなどの分光手法を駆使して取り組んでおり、北海道大学では、蛍光のパラメーターの一つである蛍光寿命を用いた pH などの細胞内環境計測を提案してきました。また、強い電場の印加によるタンパク質や細胞の機能・構造変化を赤外吸収分光法や蛍光分光法から検討しています。細胞や生体物質だけではなく、水や酢酸などの基本的な液体分子の分子間相互作用や、機能性分
子材料なども対象としてきました。これらの研究は、水中での生体分子のダイナミクスの理解や細胞や生体分子を観測するための機能性材料の開発へとつながっています。

 仙台の街に住むのは初めてですが、城下町、アーケード街、緑の多さ、町の規模など、私の実家がある九州の熊本と良く似た雰囲気があり、懐かしく、また住みやすく感じています。国内外で活躍する優れた人材の育成と薬学研究の発展に少しでも貢献できるよう努力して参りたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。