Laboratory of Molecular Transformation, Graduate School of Pharmaceutical Sciences, Tohoku University

研究方針

 分子を自在に変換する化学技術は、現代の科学技術のなかで極めて重要な役割を果たしています。 なかでも有機分子は生命にとって関りの深い重要な化合物群であり、医薬品や機能性分子などの開発おいても必要不可欠な素材です。 その有機分子を自在に変換する技術を確立することは、医薬品の開発を含めたあらゆる自然科学分野の発展において重要な課題となっています。 こうした背景を踏まえて分子変換化学分野では、有機分子の変換のための基礎的な反応開発、効率的な合成手法の開拓などを中心課題に新技術の創製に精力的に取り組んでいます。 


研究テーマ

 新規分子変換反応の開発

 有機合成に用いられる反応は多岐にわたりますが、当分野ではとくに炭素アニオンの選択的な発生と修飾変換を制御する手法について系統的に研究しています。
有機金属を用いる手法、有機超強塩基を用いる手法、遷移金属触媒を用いる手法など精密な合成化学を実現するための基盤研究を、新しいロジックの発掘により展開すべく検討を進めています。
さらに、新たな反応開発においては、試薬の開発に留まることなく新しい現象を追求しつつ、反応機構の解明にも力を注いでいます。
物理化学的な反応の理解とともに計算化学による遷移状態の検証により、反応の「鍵」となる活性種の役割を明らかにすることで、さらに洗練された反応開発が可能となると考えています。

・有機分子触媒を用いる精密有機合成化学

・パラジウム触媒反応を機軸とした高効率合成法の開発

・金属アート型塩基の持つ反応選択性の起源の解明

・へテロ原子の特性に着目した機能性芳香族構築化学