金属を含む装飾品や体内へ留置される医療器具により金属アレルギーの発症が増加しています。金属アレルギーは多くの方に発症する病気ですが、未だに優れた治療薬は開発されておらず、現在、その予防、治療は原因となる金属との接触を避けることしかありません。私たちは、装飾品や医療器具からの金属イオンの溶出は生体応答が関与していることを突き止め、医薬品により制御できる可能性を見出しました。現在、金属(特にニッケル)の溶出機構の解明、ならびに金属イオンによるアレルギーの誘発機構とその治療薬の開発について研究を進めています。また、大学病院の皮膚科や工学研究科と、臨床サンプル中の金属濃度の測定と診断への応用、医療材料・吸着剤等の開発を目指して共同研究を進めています。
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