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ジョウザンアジサイ
和名:ジョウザンアジサイ
学名:Dichroa febrifuga Lour.
科名:ユキノシタ科(Saxifragaceae)
使用部位:根
生薬名:ジョウザン(常山)
用途: 解熱・催吐・抗マラリア作用効マラリア効果を目的とした漢方方剤の「常山湯」に配剤する
追補:ジョウザンアジサイ・アジサイ共に食すると強い嘔吐が起こるので注意を要する.これはジョウザンアジサイに含まれるアルカロイド化合物のfebrifugineによる.
また,このアルカロイド化合物やその誘導体には強い殺マラリア原虫活性があることも知られている(本学の医薬資源学分野が詳細な研究を行っている:J. Med. Chem. 45: 2563-2570,2002; J. Med. Chem. 42: 3163-3166, 1999).また,ジョウザンアジサイのエキスは腹腔マクロファージによるNO産生とTNF産生を抑制する(J. Ethnopharmacol. 69: 35-43, 2000).

ハズ
和名:ハズ
学名:Croton tiglium L.
科名:トウダイグサ科(Euphorbiaceae)
使用部位:種子
生薬名:巴豆(ハズ)
成分:ハズの種子から得られるハズ油(クロトン油)中にはオレイン酸、パルミチン酸の他にcrotonic acidやtiglic acidのエステルが存在する。このほかに,発ガン性のあるホルボールエステル類も含有する。
用途:「大熱にして毒有り。故に其能、痞閉を破り、腸胃中の癖毒を蕩滌す。或は肌膚に貼するときには則ち悪肉,瘡毒を去る(古方薬品考)」とあり、いにしえより毒を排するための峻下剤とされたが、現在では薬用利用されない。
生薬「巴豆」を配する処方剤に『金匱要略』出典の「走馬湯(処方内容は巴豆と杏仁)」があり、食中毒や他の中毒などで、体外に毒を速やかに排する必要性のある場合に頓服するとされる。下剤としての効果がある処方剤のなかでは「走馬湯」がもっとも強力であるとされる。
補記:○巴豆中のphorbol diester類についてin vitroでの抗HIV作用が調べられている(El-Mekkawy S., et al., Phytochemistry 2000, 53:457-464,El-Mekkawy S. et al., Chem. Pharm. Bull., 1999, 47:1346-1347)。
○ハズと同科の植物でトウゴマ(Ricinus communis L.)の種子(生薬名:「蓖麻子」)も峻下効果がある(「ヒマシ油」は局方収載品)。
○『神農本草経』の下品に収載され、ハズ油を含む生薬製剤は薬事法上(第52条)「劇薬」扱いとなる。
○ハズ油は皮膚に着くと浮腫を生じるので注意。