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生薬名ハッカ(薄荷)
生薬ラテン名Menthae herba
神農本草経
基原植物シソ科(Labiatae)のハッカ(セイヨウハッカ;Mentha arvensis L. var. piperascens Malinv.)、あるいはその改良変種などの全草を乾燥したもの。
薬効『新修本草』→賊風、傷寒に発汗す。悪気、心腹脹満、霍乱、宿食不消化、下気を主治する。
適用民間薬的には香味料や芳香性健胃薬として用いる。
漢方方剤配合生薬としては清涼、解熱、発汗、健胃の目的に漢方・中医方剤に配剤する。
漢方処方例柴胡清肝(散)湯(少陽の虚証で他覚的に左右の腹直筋が緊張し,心下痞硬と中等度の胸脇苦満を呈して時に神経症状するものの「急性・慢性副鼻腔炎」や「口内炎」,小児では癇の虫など)
処方内容:当帰,芍薬,センキュウ,地黄,連翹,桔梗,牛蒡子,括樓根,薄荷,甘草,黄連,オウゴン,黄柏,山梔子,柴胡,防風通聖散(少陽の実証で,肥満し,臍を中心にして膨満して皮下脂肪が厚く,便秘がちで,肩凝り,苛々感.不眠,のぼせなどがある高血圧に伴う随伴症)
処方内容:当帰,芍薬,センキュウ,山梔子,連翹,薄荷,生姜,荊芥,防風,麻黄,大黄,芒硝,桔梗,白朮,オウゴン,石膏,甘草,滑石他にも響声破笛丸,荊芥連翹湯,加味逍遙散など複数の方剤に配合.
成分薄荷独特の清涼感は精油成分のl-mentholによる。薄荷から得た精油をペパーミント油、またこれを水で希釈したものをハッカ水とよび矯味矯臭剤として食品やうがい薬に添加される。
最近の研究論文からペパーミントがスースーするのはmentholが温感の神経感覚受容器を刺激するからである
(Viana F., et al., Nature Neurosci. 5:254-260, 2002)