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生薬名チユ・ヂユ(地楡)
生薬ラテン名Sanguisorbae Radix
神農本草経中品
基原植物

バラ科(Rosaceae)のワレモコウ(Sanguisorba officinalis L.)またはその変種の根と根茎を乾燥したもの。中国では外形こそ類似するが、基原植物を異にする「地楡」が出回っており鑑別を必要とする。たとえば、タデ科(Polygonaceae)のイブキトラノオ(Polygonum bistora L.)の根茎を「地楡」としたり、同科のイタドリ(P. cuspidata Sieb. et Zucc.)の根茎を「土地楡」と称している。

薬効消炎・収斂・止血を目的として漢方方剤に配合する
適用主として漢方・中医方剤に処方する
漢方処方例清肺湯(少陽病期の虚実間証で咳が長く続いて治まらず、粘稠性の高い喀痰が出て息切れし、微熱を伴って衰弱するもので、時として血痰の出るものの「急性・慢性気管支炎」)
処方内容:地黄、当帰、地楡、オウゴン、山梔子、センキュウ、黄柏、芍薬、黄連、側柏葉
槐角、阿膠(萬病回春の便血門出典)
他に、半夏地楡湯
成分地楡独特の渋みはこれに含まれるエラジタンニンのsanguiin によるもので収斂効果がある。
最近の研究論文から1)地楡エキスには,お肌の紫外線ダメージを予防する作用がある
(Tsukahara K., et al., Biol. Pharm. Bull. 24: 998-1003, 2001)
(see also; Hachiya A., et al., Biol. Pharm. Bull. 24: 688-692, 2001)。

2)地楡のエラジタンニンであるsanguiin H-11の抗炎症効果に関連して、in vitroにおいてサイトカイン、PAF、およびN-FMLPによる好中球の化学走性を抑制する
(Konishi K.,et al., Biol. Pharm. Bull. 23: 213-8, 2000)。ほか多数。