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生薬名ガイヨウ(艾葉)
生薬ラテン名Artemisiae Argyi Forium
神農本草経中品
基原植物1)和産:キク科(Compositae)のヨモギ(Artemisia princeps Pamp.)またはオオヨモギ(A. montana (Nakai) Pamp. = A. vulgaris L. var. vulgatissima Bess.)の葉を乾燥したもの。
2)中国産:キク科(Compositae)のA. argyi Level. et Vant.とその同属植物。
薬効『古方薬品考』⇒「収斂にして芳達なり。故に泄痢を療し、妄血を止むるの能に取る」。
『古方薬議』⇒「頭痛、金瘡、血閉、心腹の堅痛、半身不遂、鼻洪、吐血および溺血を主り、膿を排し、気をめぐらし、鬱を開く」。
適用民間薬的利用:腹痛,吐瀉などに利用。このほかにもモグサとして温灸に用いられる。
漢方方剤:収斂および止血を目的として幾つかの漢方・中医方剤に処方される。
漢方処方例弓帰膠艾湯(太陰虚証で、貧血の傾向(血虚)があって血色がすぐれず、易疲労、子宮出血、痔出血、血便が止まらず、左側腹部にオケツ圧痛のあるものの「月経異常」、「喀血」、「痔出血」、「切り傷」、「鼻血」、「紫斑病」など多数)
処方内容:川弓、甘草、艾葉、当帰、芍薬、乾地黄、阿膠
柏葉湯
(太陰少陰間の準位で虚証、腹力は陥没して軟弱、喀血、吐血、下血による血虚があるもの諸症の出血)
処方内容:柏葉、乾姜、艾葉
成分ヨモギ独特の匂いは、精油成分のcineolによる。
最近の研究論文から1)ヨモギの成分であるsesquiterpene lactoneのyomoginは,肥満細胞の脱顆粒とマクロファージからのNO産生を抑制する(Ryu S.Y., et al., Plant. Med. 66: 171-173, 2000)。
2)一寸古いが、抗補体活性がある中性多糖体がA. princeps から単離されている(ZhaoQ.C., et al., Phytochem. 35: 73-77, 1994)。