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エゾタンポタケ

学名Cordyceps intermedia Imai.
発生地青森県・十和田
採取年月日1922年9月2日
特徴・解説
 菌生冬虫夏草属 Elaphomyces の一種で、ツチダンゴ(土団子)菌に二次的に寄生する地下生菌の一つ、子実体の頭部は扁球のタンポ状菌類である。
 一般に虫草菌の場合は昆虫を殺害して、虫体菌核とするのに対して、菌生冬虫の場合は地中の土団子菌を菌核として成長し、地上に子実体(キノコ)を形成する.
 地下生菌は大概径1~3cm の硬い球状で赤褐色の殻につつまれており、表面には粒状の突起が密布して、内部は菌糸層で充実している。 本菌の子実体は宿主の菌核体上に直接単出で発生し、長さ7~9cm、柄部は円柱状でやや捩れがみられる。柄の太さ4~6mm 、色はオリ-ブ色から黒みがかってくる。
ハナヤスリタケ C. ophioglossoides は菌生冬虫の代表とされるが、柄の地下部が下降するにしたがい細まり、髭根をつける点で本菌と基本的に相違する。
 頭部の大きさ6-10×6-12mm 、表面は黒褐色で子嚢菌 perithecium は完埋生、卵形で450-540×230-260μ、子嚢胞子 ascospore の大きさ240-300×7-8μである。
 2次胞子 sec,spore は3-6×1.5-2μであった。
本種はブナの原生林内で発見採取されたもので、比較的水はけの良いブナの葉の堆積した腐葉土上に発見した。高山帯の高地での発生で、垂直分布からすると高緯度の分布圏に発生する菌類であると思われる。
 人工培養(菌株CY124)