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The International Chemical Congress of Pacific Basin Societies 2025 (Pacifichem2025) 2025年12月15-20日 MS2 西塚 海翔
今回私は、2025年12月15日から20日まで米国ハワイ州のホノルルで開催された環太平洋国際化学会議2025 (Pacifichem 2025) に参加しました。本国際会議は、環太平洋地域の多くの国・地域から化学者が集う、参加者約一万人規模の非常に大きな学会でした。本会では、二つの研究テーマについてポスター発表を行いました。一つ目の発表は、学部生時代に取り組んだ研究であり、「Total Synthesis of Betuphenone F and Clusiacitran B」を発表タイトルとする、新薬の開発が強く求められている膵臓がんに対する新規治療薬候補天然物の全合成研究になります。二つ目の発表は、現在修士課程で進めている研究で、「Synthetic Studies on the Bisindole Alkaloid Pycnanthinine」と題し、新たな中分子医薬品のシーズ化合物として期待されているものの、構造の複雑さから未だ化学合成が達成されていない二量体型アルカロイドの合成研究になります。 今回の学会参加を通じて、私は大きく2点の成果を得られたと考えています。 一つ目は、海外の研究者の研究に対する高い熱意を直接感じることができたことです。学会期間中、2日間に渡って開催された天然物の全合成研究に関するシンポジウムにおいて、口頭発表を拝聴しました。その際、若手研究者から著名な研究者に至るまで、当該分野を牽引する研究者による活発な議論が行われており、研究に対する強い興味やその深い専門知識に圧倒されました。さらに、研究室での勉強会で紹介された研究についても発表が行われており、勉強会では十分に理解できなかった点について、詳細な説明を聞くことでより理解を深め、新たな知見を得ることができました。 二つ目の成果は、海外の研究者と直接議論を行うことができたことです。私はこれまで学会への参加経験がほとんどなく、加えて海外渡航の経験もなかったため、当初学会への参加に大きな不安を抱えていました。実際、現地の飲食店などで英語による会話を試みた際には、ネイティブスピーカーの会話の速さから、ほとんど会話ができませんでした。このような状況から、ポスター発表において円滑な議論が行えるか不安を感じていましたが、実際の議論では、資料を用いた説明や身振り手振りを交えたコミュニケーションによって、自身の考えを相手に伝えることができたと感じています。これまで、文法を考えてきれいな文章を話さなければいけないという意識が強かったのですが、単語をつなげた簡潔な表現であっても十分に意図が伝わることを実感しました。この経験を通じて、英語を話すことに対する心理的な障壁が大きく低減したように感じます。 今回の国際学会への参加を通じて、英語に対する抵抗感をある程度払拭できたと考えていますが、発表内容を十分に聞き取り、円滑な議論を行うための語学力にはなお課題があることを痛感しました。また、研究においては、特に同世代の研究者の研究に感化され、これからの研究活動に対する大きなモチベーションに繋がりました。このような貴重な経験は、渡航費・滞在費などの経済的なご支援を賜りました齊藤宏様および和子様ご夫妻によるご厚意あってのものだと感じております。齊藤宏様および和子様ご夫妻に厚く御礼申し上げます。今後、この経験を活かし、研究活動を通じて社会に還元できるよう一層努めてまいります。
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