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理念・目的

薬は、病気と闘うために人類が編み出した英知の結晶です。これまで、新しい薬の開発により、多くの病気が克服されてきましたが、癌やアルツハイマー病など、未だ根治のための有効な薬が見出されていない病気がたくさんあります。
 新しい薬を作り出すためには、病気の発症メカニズムの理解、病気に対する有効な薬の設計と合成技術の開発、薬の作用機序の解明、薬の適正な使用法の確立など、薬に関する総合的な学問(薬学)が必要です。

教育理念

 本薬学部・薬学研究科の教育理念は、薬を通じて人類の福祉と発展に貢献できる人材を育成することです。 このような理念を達成するために、以下の目的にそって、学部および大学院教育を行っています。

学部教育の目的

 学部教育の目的は、種々の病気に対する有効かつ安全な新規医薬品の創製とその薬物治療への応用に関する基礎教育を推進することにより、創薬科学の発展に寄与し得る人材と、薬の専門家として医療の一翼を担い得る人材を養成することです。特に、4年制の創薬科学科では、大学院でさらに学んで創薬科学の研究者・技術者になるための基礎を築くことを目指します。また、6年制の薬学科では、研究心あふれる高度薬剤師としての基盤形成を行ないます。

大学院教育の目的

 大学院の教育目的は、広範囲な薬学分野の知識と技術を修得し、独創的な発想力と国際的な競争力を備えた薬学研究者・技術者を育成することです。特に、博士前期(修士)課程では、学部教育で獲得した基礎的知識・技術に立脚して、薬の創製から適正使用までの高度な知識と応用力を修得させます。また、博士後期(博士)課程では、最先端の創薬科学研究、臨床薬学研究を自らの力で推進できる能力を涵養し、優れた研究者に育て上げます。

研究の理念・目的

 本研究科の研究理念・目的は、薬の創製から適正使用に至る幅広い研究分野で先進的な成果を挙げ、薬物医療の基盤形成とその発展に寄与することです。より具体的には、分子薬科学専攻、生命薬科学専攻、医療薬学専攻の3専攻(計23の分野)において、以下の理念と目標を掲げて、研究を実施しています。

<分子薬科学専攻>
研究理念
 新規医薬品や生理活性物質の創製に寄与する。
研究目標
 1.医薬の創製に向けた革新的な合成反応およびその方法論の開発
 2.創薬につながる新規有用分子の発見と創製
 3.医薬開発に必要な分子解析技術と方法論の開発

<生命薬科学専攻>
研究理念
 疾病の分子機構と医薬品の作用機構の解明に寄与する。
研究目標
 1.疾病に係わる生命現象の分子レベルでの解明
 2.生命維持に係わる生体機能分子の作用機構解明
 3.生体機能分子と薬物の相互作用機構の解明

<医療薬学専攻>
研究理念
 新規薬物療法の開発と医薬品の安全性向上に寄与する。
研究目標
 1.薬物療法の適正化および個別化医療の実現
 2.薬物等の薬効及び毒性発現機構の解明
 3.薬物の安全性予測と薬効評価手法の開発

 上記のような教育・研究 上記のような教育・研究目的を達成するために、本薬学部・薬学研究科では、有機化学と物理化学を基礎とする物質科学、生物化学と分子生物学を基礎とする生命科学、病態生化学や薬物療法学などから成る医療科学を三つの基盤とし、それらを統合した薬学教育と研究を行なっています。天然物からの薬の発見や薬の精密かつ効率的合成法の開発など、伝統ある分子薬科学の教育・研究はもとより、生命現象の分子メカニズムや薬の作用機構の解明など、生命薬科学の最新の教育・研究も積極的に行なっています。また、近年は、薬を適正に使用するための医療薬学分野の教育・研究を充実させています。今後も、分子薬科学、生命薬科学、医療薬学に関する先端的、学際的研究を強力に推進し、それを基盤として、先進的な薬学教育と研究を展開して行きます。

社会貢献の理念・目的

 本研究科では、薬および薬学に関する啓蒙活動、学術研究成果の社会還元、公共的な活動・組織への参加などを通じて、積極的に社会の発展に貢献することを理念・目的としています。このような理念・目的を達成するために、「日本薬用植物友の会」主催の観察会、見学会、講習会などの支援、薬用植物標本の公開、オープンキャンパスや高校への出前講義の実施、大学教育開放講座の開催、市民講演会などの講演活動への参加、各種シンポジウムの開催、地域研究機関への研究協力、社会人の大学院教育、国及び地方自治体の各種委員会への委員派遣などを積極的に行っています。